空気がぴんとはりつめた、寒い朝。
青い光が差す、窓ガラス。
息が白い、古い家のなか。
あの頃に
今の私がタイムスリップできるなら
あなたにもっと優しくしてあげられたのに。
お金の価値も分からないまま毎日食材を買い込んで
下手な料理を作る私を、どう思っていたかな。
暖かくなったら散歩にいこうねって
ふたり春を待ちながら
私が助けなきゃいけなかったのに
いつも、いつも助けられていたね。
今の私がタイムスリップできるなら
あなたをもっと労わってあげられたのに。
あなたのことを守ってあげられたのに。
あなたの心細さとか
未来への不安とか
日々の苦しみとか
それを私に見せまいと安心させてくれたこととか
ぜんぶ、今更じゃ遅すぎるのに。
泣きながら悔やんだって何の意味もないのに。
二番目の金曜日は会いたくなるよ、
浅草の街を見たら思い出すよ、
謝りたいよ、
ごめんね
だいすき
ありがとう。