夜明けを待ちながら麗しの許婚を待ちながら
2017年の宝塚のはいからさんを見られなかったのは、
自分の現場がかぶっていたから。
すごく見たかった、伊集院少尉に会いたかった。
2020年3月のはいからさんのチケットが取れて。
自分の地獄のように大変な現場が終わって、
はいからさんを見られるのが、
伊集院少尉に会えるのが楽しみで楽しみで、
ウキウキしながら「逃げ切って」迎えた3月だった。
宝塚のホテルも飛行機も予約して、
そして、公演中止の報せが入ったのはチケットの日付の2日前くらいだった。
ホテルも飛行機も、コロナの影響でキャンセル料はかからなかった。
けど、私ははいからさんが通るを観たかった。
2月からじわりじわりと感染症の猛威は近よっていたから、
覚悟はしていたけど本当に心にぽっかり穴が開いたようだった。
緊急事態宣言があけて、
やっと夏に公演再開と思ったけれど、
また中止になってしまって、
紆余曲折を経て、
やっと、やっとこの秋晴れの空の
はいからさんがやってきた。
少尉と紅緒さんがやってきた!
この秋すこしずつ劇場にまた行き始めたけれど、客席に100%入れている劇場は初めてだった。
劇場に帰ってこれた、
そんな気持ちになった。
あの赤い椅子。
そして、
とりあえずいま、
わたしは、
「どうして私には笑い上戸でドイツ人ハーフの陸軍少尉な許婚がいないの?」
と今純粋に疑問である。
というくらいに
柚香さんの少尉が素敵で
そして華さんの紅緒さんが素敵で
そしてはいからさんが通るに出演する全てのキャラクターが大好きすぎて
ええ、今ブルーレイを作業用BGVに流しております。
東京公演から、ちゃんと飛沫感染の検証を行った上で銀橋を使った演出が戻ってきた。
だけど、ブルーレイに収録されているのは
銀橋を”封じた”大劇場版。
「銀橋のあの二人が見たい!!!」とも思うけれど、
この2020年にトップになったれい華の、
稽古開始から実に半年以上作品に向かい合った「はいからさん」の
忘れえぬ象徴的な記録映像であることは間違いない。
と、
ここからちょっと自分のための備忘録としてだけときめきをメモしていいですか。
もう、緞帳があいたタイトルの時から好きです。
原作漫画がカラフルに敷き詰められたスクリーン、
プロジェクターが左右で2台使っているため、中央だけだぶってピントが合ってないところまでいとおしい。
紅緒さんの竹刀のシーンから始まるところ、好き。
そして蘭丸が蘭丸で好き!
1回目に観たら、相当駆け足なストーリーだったので「蘭丸の出番少ない!」って驚くくらいだけど、
2回目に観ると、ちゃんと蘭丸の恋にしっかりけじめをつけて描き切ってくれていて、感謝しかない。
自転車ありがとう自転車。
リボンまがってるのありがとうリボン。
大劇場の時はリボン奥側に、
東京ではリボン手前側に乱れてしまったんですね。かわいい。
漫画のなかから飛び出してきたかのようなお転婆な紅緒さん、好き。
紅緒さん、好き(大事なことなので2回言います)
これ以上細かく言うともう朝までかかるので省略しますけど、
舞台で二人の顔を見ながら壁ドンするには大臣柱を使えばいいんですね!とめちゃくちゃ勉強になりましたありがとう!
モンペのアンサンブルの紅緒さんと少尉のソファの攻防を見るだけでチケット代半分払ってる。
緑のドレスの紅緒さん、腰と腕の細さが際立って本当に漫画から抜け出てきたようでマジお人形さんみたい。
そしてサンドイッチからのコテン・・・の紅緒さん。
いとおしすぎる。
これでチケット代半分払ってる。
で、小倉転属からのあの二人の木漏れ日のシーンが・・・!
東京宝塚劇場では銀橋で、少尉の長い脚が客席階段にかかりながら「もう来ちゃいました」って少尉が言うから、
もうチケット代全額払っている(すでに1回の観劇で2枚分の元とれましたね)
姫抱っこもおんぶもご馳走様です。
少尉がこんなに紅緒さんのこと好きでいてくれることが本当にうれしくて、
でもこんなイケメンがなんで都合よく、そこまで器量よしでもない問題児のお転婆紅緒さんのことを大好きになってくれるのでしょうかと思うのだけれど
大正時代に外国人の血が入って親がいないお坊ちゃんなんて、
やっぱり孤独だったんだろうなと思って
そんな少尉が小さいころから聞かされていた許婚がどんな人だろうって思いを馳せて、
出会ったのがあんなに退屈しない紅緒さんだから
心優しい少尉はすぐに惹かれたんだよね。
なんてすばらしいんでしょう。
元々はいからさんに登場するキャラ全部、好きでしょうがないなと驚いてしまうくらいに、
環も大好きで
鬼島さんも大好きで
冬星があんなに爽やかな水色のベルボトムで漫画から抜け出てくる上に同じ日のなかで紺のスーツに着替えたりしてイケメンで大好きで
吉次さんも大好きで
牛五郎も大好きで
御前とおばあ様大好きで特に美穂様のおばあ様優雅すぎて宮様から嫁いできた奥方感半端なくて
インネンさんももはやラブいシーンをつくってくれて有難うの境地で
勿論如月たちが漫画から抜け出てきたように忠実なの大好きで
蘭丸のメイド服も忠実でありがとうで
何よりラリサのことも私は責められなくて、
ラリサのことを見捨てられない少尉のことも分かりすぎて
そしてラリサのことを責めない紅緒さんが大好き。
それから本当に、ラリサ、少尉を2度も救ってくれてありがとう。
さらにラリサの恋も、きちんと決着をつけてから地震になってくれたこと、ありがとう。
あの結婚式のシーンで、
蘭丸のことを探しに炎のなかに飛び込める紅緒さんも大好きで
そして助けにいってお水飲ませる少尉がセクシーすぎて五体投地したくなって
そして冬星がごちゃごちゃ言わずにまず3人で脱出するところが好きで
その後男2人が殴り合うのはもう、
これは令和の時代に錯誤気味だけどこれだけは乙女のあこがれですね。
天河でもキュンキュンしましたね。
東京公演ではこれも銀橋でした。(備忘録)
桜の木の下で終わる本編のあと、
フィナーレでふたりのウェディングな衣裳を見られたことが本当にうれしくて
ありがとう宝塚歌劇!ありがとう!!
紅緒さんのドレスがエレクトリカルパレードばりにキラキラしていて美しいことこの上ない。
そして、なにより
あの銀の軍服の群舞、
やっば!!!!
なに!?これ!?ふっつくし・・・!!!
いやーもう、これだけでチケット代1枚分払ってる(すでに1回の公演で3枚分の対価をいただいている)
小倉の、鬼島たちとのケンカをすっとばしてシベリアの説明セリフになっていたところはスムーズだなと思いながら、
紅緒さんの「シベリアの風」にツッコミがないこともちょっと寂しくなって笑える、漫画読み。
何年も原作を読んでいないのに、
鮮やかによみがえるんだよなあ、あの大和先生の筆致が。
軍隊が戦闘シーンになったらベルばらからの伝統のダンスシーン、予想通りすぎる。これぞ宝塚。
東京公演では、こごえた少尉が銀橋を渡って途中で暗転するんだけど、
そのときの柚香さんの手の指が雪山の遭難者のごとくまるまっていて、極寒のシベリアで息もたえだえの少尉の、白い息まで見えるようだった。
マリンカの花を突き出すシーンの、背中の筋肉!と思わせる美しい姿勢・・・
柚香さん生まれて来てくれてありがとう。
そしてやはり、この漫画と、
この舞台の一番のハイライトって
紅緒さんが白い喪服で登場するシーンをおいてほかにないと思う。
「はいからさん」の印象的なリボンの髪をバッサリ切って、
まだらんま1/2であかねちゃんが髪を切る20年くらい前の話のはず。
漫画で、リボン髪の印象が強かったこともあって、
舞台では紅緒さんが髪を切るのが早くてびっくりしたけれど、
1幕のラストにあんなにふさわしいシーンない。
マリーアントワネットさながらに登場する紅緒さんを見て、涙をながさずにいられない。
小柳先生はわかっているなあ~~~
音楽もものすごく素敵で
思わず口ずさんでしまうメインテーマ。
「まだ上げそめし前髪の」って歌詞のところがなぜか好き。
昨日ブルーレイ買ったのに、そろそろCD買わないといけなさそうに思う。
ただひとつ寂しいのは
ラインダンスの人数が少ないこと。
コロナ本当に許せない。
下級生たちは公演期間の前半と後半でグループ入れ替わりになるので、
悔しくてAグループもBグループも観に行ったわよね。
そうそう、
2回目に観たときになぜかすごく思ったのは
「柚香少尉よく走るな・・下手にむかって!」
素敵なんだ、走っている姿も素敵なんだけど
時には紅緒さんを連れて、
時にはマントを翻して、
よく走っていた。
これからも、
いままで自粛やら中止やらで足止めをくらったぶん、
きらめく光のなかを走り続けてほしいな。
いつかずらっと並んだラインダンスで
最前列まで満杯の劇場で
またれい華の素敵な公演を
見られますように。
宝塚、小柳先生、大和先生、
すべてのスタッフ、関係者のみなさま、
すべての出演者のみなさま、
そして客席のみなさま、ありがとう。
「こんな時こそ、言論の炎を消しちゃいけない」って高屋敷先生のセリフが
私たちにも、突き刺さるね。