夜明けを待ちながら

自宅待機中

夜明けを待ちながら夜明け前の海のように沈黙の音がする

なんだか不思議と年末という感じがしない、

友人とクリスマスプレゼントの交換をする場もなくて

年一くらいで生存を確かめうくらいの忘年会もなくて

パタパタと仕事だけ片づけていくようなこの年末。

だけどどこかせわしない年末という浮足立った空気は嫌いじゃなくて

またこの不思議な数日間に会えるのは1年後なのかと思うと少し寂しい。

 

本当に

本当に久しぶりに

ライブ、というものに参加してきた。

いつもはカウントダウンなんだけど、

今年は夕方で、マスクして、声を出せなくて、

手がちぎれそうになりながら拍手して愛を伝えた。

照明綺麗だった、映像綺麗だった、

爆音で生バンドを聴きたかったの、ずっと。

衣裳キラキラしてたな。

ステージの上のみんなが嬉しそうで

それだけでこちらも嬉しくなれるのに

さらに客席を楽しませようと創意工夫を凝らして頂いてしまって

こんなに供給されていいのでしょうか!?チケット代、隣の空席の分も払いたくなる。

 

もう何年も自宅で年越しをしたことがなかったので、

除夜の鐘って聞こえないんだなあ、と

過ごし方の分からない年越しをなんとなく、迎えた寒い夜。

まん丸のお月さまが、曇りのない夜空にピカピカ光っていた。

 

ライブって、エンタメって、

やっぱり必要って

再確認した。

この闇は黒ではなく

深い深いコバルトで

”いつか”は見えないほどに遠いけれど、

きっと、今日のライブが出来たみたいに

一歩ずつ、一歩ずつ、

夜明けに近づいているよね。

忘れがたいライブは沢山あったけど、

今日もまた、忘れがたい一夜になりました。

やさしさの、テイクマイハート、忘れません。

2日間が終わって規制退場をアナウンスするスタッフさんの、

あのとりあえずのホッとした声と、

お客さんに対する敬意と配慮と寄り添い方と

そして、騒がずおうちに帰るまでがライブなのだという

本来は言いたくないお願いをしなくてはならない注意喚起、

あの50%の客席を舞台上から全部見ながら、

どんな心情だったかしら。

私は最後の最後にあの名も知らないスタッフさんのアナウンスで泣いてしまいました。

 

カウントダウンライブって、いつものツアーじゃやらないような

コアなファンが喜ぶ幕の内弁当みたいなセトリになっているんだよね、

それがいつも大好きだったんだなって

ひっさしぶりに思い出した。

ニューイヤーライブも、また行きたいなあ。

無観客になってしまったあのライブ、

おじいちゃんになってしまっても、いつかライブハウスでやってくれないかなって

非現実的な夢を、思う。

2020年は皆様、本当に本当にお疲れ様でした。

 

あの人のライブも

あの人のライブも

2021年はまた行きたい。

まだまだまだまだ大変な戦いが続くけど、

今年は

私にとっても、お客様に対しても、

楽しむことを諦めない

そんな新しい年にしたい。