夜明けを待ちながら

自宅待機中

bye bye, good bye

「The Galaxy express 333 will take you on a journey

あの人はもう思い出だけど

君を遠くで 見つめてる」

 

そんな歌を思い出しながら、

夜の暗い川辺を見ていた。

 

その後に思い出した歌は

Electoricityだったな。

川辺のオレンジ色の光は、

ロンドンの夜景に似ていて。

あのVictoria Palaceで

「Billyがこんなに踊りたくても踊れないなら、

 恵まれている私は、やりたいことをやろう」

って、

舞台を選んだ私が

いま、舞台にさよならしようとしている。

 

そう思うと、

すべてがまるで懐かしいような

愛おしいような気持ちがわくけれど

それを、今後、

じゃああと1公演とか

3か月拘束されるしんどさを

受け入れる要因にはならなくて。

 

ただ、

古びた劇場の、袖とロビーを行き来する鉄扉や

開演前に舞台に行く人たちを見送るときの「よろしくお願いします」だったり

お客様が入る前のがらんどうな客席を

もう見るのも最後なのかと思うと

なんだか感慨深くて。

 

制作を辞めていった人たちを知っている。

自分がそうなる日が来るなんて、

2週間前までは思ってもみなかった。

 

だけど

今は新しい世界へ解放されることに

ワクワクすらしている。

 

どうか最後の現場を

大好きなあの人たちと迎えさせてください。

 

いつまでもきっと胸に刻めるから。

召使みたいな、奴隷みたいな、

もともと面倒くさがりでおおざっぱな私には到底合っていないこの仕事の、

10年続けた最後の、現場。