夜明けを待ちながら

自宅待機中

夜明けを待ちながら、光る星になりたくて涙する

いつも、現場中は
これが終わったら、あのチケットがある!
と思って、乗り切る
あのチケット、が存在する世の中に戻りつつあって、
感謝。

しんどい現場中に、
あー私もイケメン俳優になりたいわー
なんて、うそぶいていたけれど、
楽しみにしていた公演を客席で見ながら
あー私も光る星になりたかった、と
涙が溢れてきた。

ハイトーンが美しく歌えるパフォーマーに、
くらりと来ちゃうんだなと最近気づいた。
もはや歌詞とかじゃなくて
ハイトーンを軽々しく歌われてしまうだけで
もうキュンとする。
セリフを朗々と喋るだけで、エンターテインメントにできるひとにも
うっとりとする。

むかし、20年前にも
客席から舞台の上のスターに憧れていた。
私も、なにものかに、なりたかった。
20年経っても、
私は
なにものにもなっていないのだと
突然に気づいて
愕然とする。
あんなにマイクが離れていてもこんなにもまっすぐきらきらと歌が届いてくる、
圧倒的なパフォーマンス。
あの人みたいになりたかった、
悔しくて涙が出てしまった。
こんな輝く星に、
なにものかに、
なりたかった。

私には、何もない。
努力をしていない私に、
覚悟のなかった私に、
そんな可能性はないけれど
なにものかに、なりたかったな。
なにものかに、なりたかった。